霧島の日記(完結)

書く理由がなくなったので完結しました

2017.4.9

日曜日。

 

頑張って昼前まで寝た。しかし、疲れが残ってしまった。

 

昼食は昨日と同じ。同じものを繰り返すのは練習になるし、考える手間が省ける。

 

昨日に引き続き、部屋の片づけ。普通の片づけと違って、過去の記憶を呼び覚ます物品ばかりを相手にしているので、非常に疲れた。思念の籠ったごみ、がらくた、不要物をひたすらまとめまくって、部屋から追い出した。資産的価値の認められる書籍くらいは残すが、後は全部捨てるつもりだ。どうせ親が取っておいたであろう、義務教育時代の名札や通知表、手帳などは、もう今さら何の価値もない。思い出はあるかもしれないが、そういったものをいつまでも取っておく趣味はない。取っておくのは今必要なものだけだ。

 

映画を観た。古い名作だ。切ない雰囲気と、画の美しさ。交際相手(他にもっと気の利いた呼称がないか考えたが、浮かばず)から薦められた。人に薦められたものを観るのも、楽しみの一つ。なぜその人が薦めたのか考えたり、作品について話をするのも面白い。感じ方は人それぞれだが、なぜそれが刺さったのかを聞くのは、また別の物語を追うようでスリリングである。

 

もう休みが終わる。即ち死。防戦一方。

2017.4.8

土曜日。曇り、雨。

 

職場が新しくなってから初めての週末。死ぬほど恋しかった。しかし、短き命。

二度寝三度寝をして、起きたのは昼前。変な夢をたくさん見たような気がするけど、全部忘れた。とにかく、新しい環境に困惑して頭がぐちゃぐちゃになっているから、頭脳の休息が必要なのだ。

 

起き抜けに楽器練習。休日の贅沢。技術向上の手ごたえあり。

 

昼はペペロンチーノとスープ、オムレツを自作。やや質が下がった。あれこれ並列して作業を進めると、どこかで忘れ物をして質が悪くなる。しかし、待ち時間を最小化するよう作業を効率化したいし、料理スキルはマルチタスク処理能力の向上も必要とされる。やりがいは感じる。

 

買い物。仕事に必要なもの(なぜ職場で支給されないのか。死すべし)、日用品など。部屋の片づけをしていたらシュレッダーが火花を放って壊れたので(断線ショートと思しき)、それも買い替え。業務用シュレッダーに慣れているので、家庭用のしょぼさに涙が出る。プリンターもそうだ。しかし、新職場のシュレッダーはしょぼいやつなので、職場でも涙が出る。シュレッダーなんてちまいことをしてないで、いっそ火を放ってしまいたい。

 

夜は映画。レイトで『ゴースト・イン・ザ・シェル』。ネットでは公開前から酷評のようなものを見かけていたけど、気になっていたので。個人的にはさほど酷いと感じるどころか、むしろ満足した。原作ものやシリーズものにありがちな、予習なしだとついていけない感じはあまりなかったと思う。設定に関する説明が施されていて、これ一本でしっかり楽しめる内容だった。SF的ギミックや世界観の作り込みも魅力的だけど、主題は人間の魂、霊性についてであり、普遍的な物語である。自分は何者なのか、自分の存在価値とは、といった問いに対する回答の一つとして提示される物語。たとえ己を凡庸で没個性的存在だと思っていても、そこには他人と区別されるべき己自身の霊性があり、そう語りかけられたことは僕にとっては救いになった。

2017.4.7

金曜日。

 

労働。邪魔がたくさん入ってくるので、目の前の仕事が片付かないやつ。そして、ほとんど何も(技術も知識も)仕込まれないので、状況に対処することに限界を感じる。恐るべき雑さ。こんな状況ははっきりいって最悪に不満だが、一週間勤めてよく逃亡しなかったものだと自分に感心する。

 

夜は中華。坦々麺、炒飯、唐揚げ。美味かった。ちょうど食欲とぴったりはまって、満足した。

そして、映画。公開初日の『夜は短し歩けよ乙女』。森見作品は友人に教えてもらった『四畳半神話大系』が初めてだったが、当作品はアニメも原作もツボにはまり、とても気に入っていた。文学青年然とした持って回った、しかし軽妙で調子のよい言葉遣い。手書きのようなゆらゆらした線、挑戦的な構図、遠近法、色彩感。荒唐無稽で支離滅裂な、しかし何とも楽しげな世界観、雰囲気。夜は短しも期待通りの内容で、大変満足した。公開初日の夜の上映で、金曜とはいえ平日にもかかわらず、なかなかの客入りだった。原作自体、もうかなり前の作品だし、四畳半のアニメも結構時間が経っている。このタイミングでの公開で、どういう期待感があったのか不思議ではあるが、根強い人気があったということだろうか。

 

日中は便のような時間だったが、夜で挽回した。ナイス自分。

2017.4.6

木曜日。

 

労働。まだ慣れない。まだっていうか、一週間経ってないし。一般的なRPGみたいに、自分のレベルにあった敵しか出てこない世界ならいいけど、一発殴られたら死ぬ敵がちょいちょい出てくるところがリアリティ。フロムゲーのノリ。いつまでこんなのが続くのか。そして、フロムゲーの比喩としての使い勝手の良さ。

 

歓送迎会。思ったより荒れず、大人の社交場だった。新人の頃は苛烈な飲み会が多くてつらかったけど、それは初速だったのだなあ。それか、自分もおっさんアトモスフィアに馴染みつつあるのかもしれない。ゆゆしい。

 

以上。今日はもうアルコホルが入ってしまったし、これ以上何かをすることができない。終了、解散。週末はよ。

2017.4.5

水曜日。ようやく週の半ば。

 

労働。新職場に全く慣れず、苦痛だ。勝手が分かっていればすぐに処理できるようなことでも、いちいち調べたり、物を探したりなどして時間がかかる。この効率の悪さと、不親切さ。やべえ。

 

夜は買い物とデート。疲れはあったけど楽しかった。

 

仕事のことも、交際相手とのことも詳しく書けない。詳しく書けないことしかしていないので、他に書きようがない。この日記の潮時を感じる。

2017.4.4

火曜日。

 

労働。昨日に引き続き、フロムゲーさながらの環境での労働。タスクがいまいち理解できないのだが、確実に期限が迫ってきていることだけは分かる。初見殺し。なぜこうなのか。全てを極めし前任者が去りし後、私がその跡を継いだ。弱くてニューゲーム。生き残る方法を必死で模索している。

 

疲れすぎて、帰宅後に何かをしようという気力が湧かない。しかし、映画を一本観た。思っていたよりも退屈な作品だった。時間を無駄にした感じがしなくもないけど、どんな作品か知っておくという意味では、全くの無意味ではない。とはいえ、何も好き好んで退屈な作品を観たいとは思わない。そういうアンビバレンス。まあ、鑑賞経験は裏切らないから。

 

煩わしい歓送迎会にもさっさと終わっていただいて、早く週末に辿り着きたい。この疲労感も、新人以来のものだ。新人はかわいそう。つらかろう。気の毒だ。よかった、新人じゃなくて。

2017.4.3

月曜日。

 

労働。新職場初日。説明をいろいろ受けたが、心許なさ過ぎる。そしてすぐに前線へと送り込まれた。安全装置の解除方法も教わらないまま、銃を持たされて戦場に放り出されたようなものだ。初日からこんな調子では、あっという間にトラブルまみれになって殺害されるのが目に見えている。

 

そもそも、前日寝たのが3時だった。ここ数日の出来事を整理して、状況を受け入れる準備が必要だと思って、寝る前にスマホで書き物をしていたら、3時になっていた。ひどく寝不足になってしまった。自業自得だが。それにしても、先行きに希望が見いだせない。

前の職場でも、始めの頃にろくな教育も支援も受けられず、フロムゲーがごとき心折設計で身を引き裂かれたものだった。そういう職場ばかりなので、いつになっても楽にならない。僕は楽がしたいのだ。仕事に煩わされず、温存した体力気力をプライベートに注ぐ。そして、QOLを最大化する。しかし、なんだこの有り様は。悲しみ。

 

新契約の駐車場代を支払った。昔ながらの雑な契約で、面倒な書類などが全くない。素晴らしい。

 

今日はもうこれ以上何かしようという気にならない。夜はセッションにでも行こうかと思っていたけど、無理。もうおしまい。終了。解散