霧島の日記(完結)

書く理由がなくなったので完結しました

2017.2.12

日曜日。昼前に起きた。

晴れていたので布団を干した。

 

昼からは演奏曲目の選曲会議を行った。

二人だけの小編成による小演奏の準備である。

二人で曲を出し合い、バランスを見ながらセットリストを整える。

 

その後、二人で昼食を食べに行ったが、お気に入りのイタリアンレストランは知らないうちに閉店していた。学生時代にゼミの教授と時々食べに行っていたところで、味も雰囲気も決して悪くなかった。その店は今は居抜きで別のイタリアンが入っていたが、僕が気に入っていたあの感じはすっかりなくなっていた。

昔付き合っていた彼女がその店でバイトをしていたので、店に入るとその人のことを思い出すが、別に大して好きでもなかったし、感慨だとかそういう湿った感情は湧かない。

 

家に帰ってからはうたた寝したり、楽器の練習をしたりした。

 

何をしていても、いつの瞬間も意中の女性のことが頭にある。傷心でもないし、向こうはこちらの気持ちをわかっているのに、どうしても悲恋の感覚があり、こんな恋の形もあるのかと困惑している。

 

夕食の後に散歩に行った。散歩道には神社がある。僕には特段の宗教的主義もないが、神社の持つ視覚的な美的感覚は味わいがある。ほんの少しの時間、そこで一人静かに過ごしていると、心の慰みが得られるような気がするのだ。