霧島の日記(完結)

書く理由がなくなったので完結しました

2017.2.16

木曜日。人間相手の仕事が多かった。

 

かつていた人間が時限爆弾のようなものを仕掛けていって、今いる人間が被害に遭うようなタイプの理不尽がままあり、怒られるのも謝るのも全く感情なく、ただ機械的にこなす。顔では申し訳なさそうにしたり、恐縮しているように振る舞ったりするが(典型的な社会人しぐさですね)、内心では我が身に降りかかる災厄を呪うばかりだ。こうやって、人間が本来持って生まれる明るく優しい感情がどんどん死んでいって、皮肉的な冷笑ばかり身に付けていく。金と引き換えに失う大事なものの一つだ。

 

今日はちょっとドラムの練習をした。機械的なパターンを反復するのは、仕事で精神が疲労しているときには癒しですらある。シングルストロークルーディメンツ、手足のコンビネーション。自分に課題を設け、日々それをこなしていく中で微かに感じる上達。こういう感覚の中でしか、人生が駆動し、意義ある前進をしているという実感が得られない。

 

タロット用のクロスが届いた。それを机に広げ、カードを並べる。カードを俯瞰すると、絵柄が持つ印象が直に伝わってくる気がする。タロットに関しては全くの初心者なので、少しずつ慣れていきたい。

 

僕を待たせているあの人は、今どんな気持ちでいるのだろう。日々の生活に埋もれているのか、あるいは僕のことを考えてくれているのか。それとも、関心もなく忘れているのか。僕はどんなつもりで彼女を待てばいいのか。

こうしてじっと待っていると、僕はまだ彼女のことをよくは分かっていないことに気付く。もっとよく知りたいと思うが、今はそれもかなわない。待つしかないのだが、待つことの苦しさにだんだんと疲れてきているのも事実だ。だが、あまり自分のことばかりにこだわらないでおこう。