霧島の日記(完結)

書く理由がなくなったので完結しました

2017.2.17

金曜日。単純に嬉しい。

 

仕事は忙しさの山を越え、しばらくは楽ができる。しかし、嫌なものは嫌であり、仕事のことを考えると憂鬱になる。

配置換えの可能性が視野に入っている。慣れた職場を後にするのも惜しい気がするが、今の職場はそれなりに闇を抱えていて、あまり闇に巻き込まれないうちに去りたい気持ちもある。しかし、新しいところに行っても、また別な闇があるだけだろう。それに、新しい人間と付き合っていくのもしんどい。厄介者がいなければいいが。

 

小演奏のリハーサル。まだ練り込みが足りない。自分の演奏力には納得していないが、相方の演奏力も、音楽的インスピレーションをもたらすほど磨かれていない。演奏は一瞬一瞬が真剣勝負で、ちょっとでも気を抜いた音を出すと、聴き手が白ける。詰めが甘いと、「なんだ、その程度か」と思われ、真剣な雰囲気が台無しになる。迫真性を維持したまま最後まで走り抜けるのは、達人といえど困難だ。

 

リハ後に食事。恋愛相談。相方も恋愛偏差値が低めらしく、あまり参考になる話は聞けなかったが、話を聞いてもらえただけでも少し楽になった。

 

今日は偶然、意中の人とすれ違ったが、返事のことには触れず、他愛ない会話を少し交わした。彼女の顔が見られて嬉しかった一方で、相変わらず返事を保留にされている状況に悲しみを覚えた。彼女の傷が早く癒えて、僕に気持ちを傾けてくれたら。その思いばかりである。

彼女が前の相手から受けた傷というのが、どういう状況でのものなのか、具体的な話は聞いておらず、ただ傷心から立ち直っていないということだけ説明されている。だから、僕は僕が立たされている状況について、いまいちつかみ切れていない。いろんな想像が浮かんでは消えるが、彼女の誠実さを信じて、時間が解決するのを待つしかない。

僕が前に付き合っていた人は、自分の都合のいいように言葉を弄する人だった。「祖母が亡くなった」、「風邪を引いて寝ていた」、「男性恐怖がある」など、嘘か本当か分からないようなことばかり口にしていた。それでも、端から疑ってかかるのはいけないと思って、一応は言葉の通りに受け取っていた。しかし、今振り返れば、それらの言葉はおそらくどれもでたらめだっただろう。結果から言えば彼女はでたらめな人間で、利己的な発想から平気で嘘をつくたちだった。そういう人との関わりが合った手前、異性の言葉をどこまで真に受けていいのか分からない時がある。しかし、今はそんなことは忘れて、彼女を信じて待とう。